海外で生活していると、常に恋しい祖国日本の味…。
私も夫の海外駐在に伴い日本を離れて生活していた時は、毎回の食事の準備に苦労がありました。
ざっと挙げただけでも、次のような苦労が…。
- 家では日本食を食べたがる家族
- 現地で手に入る、日本食作りに使える食材が限られている
- 外食しようにも頻繁だと気が引ける
- そもそも今住んでいる地域には日本食レストランが少ない
- 衛生面も不安な地域のため外食がお腹を壊す原因になったりする
手に入る無難な食材で無難な味付けの日本食を作って毎回の食事を乗りきる傍ら、なんとか食卓のレパートリーが増やせないか…と情報収集する日々を送っています。
今回は、そんな中で出会った、自宅で手軽に豆腐が手作りできるキット「ほんとうふ」をご紹介します。
「ほんとうふ」とは…?
ハウス食品が販売している、自宅で豆腐が手作りできるキットです。
ハウス食品の公式通販のみで販売されている
昔から販売されているロングセラー商品で、スーパーなどで手に入った時期もあったようですが、現在はハウス食品の公式通販(ハウスダイレクト)限定で販売されています。
「海外」と一言でまとめても環境は様々です。
お住いの地域に、豆腐が購入できる日本食スーパーがあったり、大豆から自家製豆腐を作る術をお持ちの場合は、響かない商品かもしれません…。
そんな恵まれた環境におらず、豆腐自作の高度な術も持っていないポンコツ新米主婦の私にとって、キットになっているほんとうふは一目惚れ商品でした。
少量購入できず嵩張るのが唯一の難点
ハウス食品公式通販での購入単位は1パックごとになりますが、その1パックというのが10個入り。
1個が2丁分なので…なんと20丁分!!!
賞味期限は製造後未開封で1年間と長いので期限内に消費できますし、常温保存可能なのでこの点は問題ありません。
お値段は、税込1399円+送料550円で合計1949円。
1個(2丁)あたり194円とコスパも良しです。
なのですが、嵩張る…。
ほんとうふ1個の大きさはお湯で温めるレトルトのカレーやパスタソースの箱と同じくらいのサイズなので、それが一気に10個届くと上の画像のようにかなりの迫力があります。
嵩張って何が大変って、日本への一時帰国から滞在国に戻ってくる時の荷物の量に影響してしまうこと。
スーツケースに入り切らなかったり、航空会社規定の預け荷物重量制限をオーバすることだけは避けないければいけないのに…
いくら軽いとはいえ、ほんとうふ10個はスーツケースの中で幅を利かせすぎです。
嵩張る問題はひと工夫で解決!
なんとかスーツケースで場所を取らずに滞在国まで持って帰ってこれないかと思考を凝らした結果、荷造りの時点で箱から出してしまうという方法にたどり着きました。
箱の中には大小2つの袋(大豆パウダーと凝固剤)が入っているだけなので、箱から出して2つのジップロックに分けて入れ、スーツケースの空いた隙間に入れ込むことで、スペース節約になります。
上記の画像は10個分ですが、片手で持てるほどにかなりサイズ縮小できました。
外箱は賞味期限と作り方が表示されています。
その部分を1つだけ切り取って、ジップロックの中に入れておくことも忘れずに。
我が家では、ほんとうふだけではなく、可能なものは全てパッケージを取り除いてサイズ縮小化し、スーツケースに詰め込んでいます。
少しくらい形が崩れることよりも、重量制限内ギリギリまで日本食をたくさん持っていくことに徹しています!
実際に作ってみた
滞在国に持って帰ってきて実際に作ってみました。
基本的には、外箱の説明通りに作れば失敗はないのですが、私が実際に作ってみてポイントだと感じた点を手順とあわせてご紹介します。
- 調理前に必要な調理器具を全て出して準備しておく
- 水の量を加減し、できあがりの豆腐の固さを調節する
準備する調理器具
準備する調理器具は特別なものは必要なく、どのご家庭にあるものです。
- 豆腐を入れるタッパーなどの容器(容量800ml程度のもの)
- 厚手のなべ(大きく深めのもの)
- 泡立て器
- 計量カップ
- 容器に蓋をするラップやアルミホイル(容器に蓋が付いていない場合)
鍋を火にかけて煮立たせるので、ふきこぼれないようになるべく大きめの鍋がいいです。
また、鍋を火にかけている間はずっと泡立て器で混ぜ続けるので、泡立て器はシリコン製をおすすめします。
金属の泡立て器しか無かった我が家のテフロン加工の鍋は、内側に傷が付いてザラザラになりました…(今はシリコン泡立て器を使っていますがもう手遅れ…)
鍋に火をかけたら泡立て器で混ぜ続ける必要がありますし、火を止めてからもスピード勝負な工程です。
必要な調理器具はあらかじめ全て出して、手の届く範囲に置いてから調理開始しましょう。
箱裏の説明通りに作るだけ
ほんとうふの箱の中には、2つの袋が入っています。
銀色の袋が豆腐の素になるパウダー状の大豆です。
もう片方は、後の工程で使う凝固剤です。
銀色の袋に入っている豆腐の素は、かなり粒子の細かいパウダー。
鍋に水を入れ、その中に銀色の袋の大豆パウダーのみを投入します。
水の分量は説明には650mlとありますが、それだとかなり柔らかく、出来上がった豆腐からもたくさん水分が出てきてしまうので、私は550mlで作っています。
泡立て器でよくかき混ぜてふきこぼれに注意しながら強火にかけます。
この時にかなり泡立って量が増すので、なるべく大きめの鍋を用意するのはこのためです。
煮立ってきたら弱火にし、約3分煮ます。
この間も、鍋底が焦げ付かないように常に泡立て器で混ぜ混ぜ。
火を止めてすぐに凝固剤を加え、手早くかき混ぜてから、一気に容器に流します。
凝固剤を入れるとすぐ固まり始めるので、手早く容器に流し入れなければいけません。
蓋をして、粗熱が取れて固まるまで、そのまま置いておきます。
すぐに冷蔵庫に入れてしまうと固まらないのだとか。
置き時間は、説明には20〜30分とありますが、そのくらいの時間では粗熱すら取れておらず、まだ固まりきれていないのがはっきりとわかるので、いつも1時間以上そのまま放置しています。
粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やして、いつでも食べれる状態です。
取り出すときに絶対ボロボロになります。
あらかじめ容器にラップを敷いておくと取り出しやすいそうなのですが、そんなこともなく…。
家で食べるだけなので、見た目はどんなのでも気にしないことにしています。
あとひとつ工夫できるとしたら、今は硬いプラスチック素材のタッパーに入れているものを、スーパーに並んでいるお豆腐が入れられているパックほど柔らかい容器に入れれば取り出しやすいのかと思っています。
いざ、実食!
なんの遜色もない美味しいお豆腐
まずは、シンプルに冷奴でいただきました。
正直、レトルトというか即席というか、手作りキットで作ったお豆腐なんて…とあまり期待していなかったのですが、想像以上にちゃんとした豆腐ができあがっていました。
むしろスーパーで買うパックの豆腐より美味しいのではないかと感じており、日本に帰っても豆腐はほんとうふで作って食べたいと思っているほどに気に入っています。
舌触りもとってもなめらかで、超クリーミー濃厚ソフト豆腐というところ。
硬めの豆腐が好みの方や、木綿豆腐が必要な時には向いていないかもしれませんが…なめらかなソフト豆腐がお好きな方には気に入っていただけると思います。
調理して更に広がる食卓のレパートリー
豆腐一つが食材に加わっただけで、我が家の食卓のレパートリーが増えました。
その中でも、大好きな麻婆豆腐が食べられた時は感動。
実は、麻婆豆腐が食べたくて豆腐の入手方法を情報収集していたと言っても過言ではないほど。
お目当の麻婆豆腐がばっちりの好み具合で作れました。
強いていうなら、ソフト豆腐なのでやはり豆腐の型崩れは激しいですが…食べられるだけで満足だから気にしません。
他にも、あんかけ豆腐、豆腐ハンバーグ、肉豆腐、豆腐サラダ、お味噌汁にも入れたり…
別記事で紹介している、自家製和風キムチと組み合わせれば、キムチ冷奴、キムチ鍋などなど…レパートリーは更に広がります。
まとめ:海外でも「ほんとうふ」で美味しいお豆腐が食べられる!
ほんとうふは、一目惚れしつつも、本当に豆腐作れるの…?と半信半疑な気持ちでしたが、見事に良い方向に裏切ってくれました。
- ほんとうふと水を入れた鍋を火にかけるだけで簡単
- 作る前は常温保存できる
- 賞味期限が長い
- いつでも好きな時に、好みの固さの豆腐が作れる
- 海外生活中の家庭の料理レパートリーが広がる
- そして美味しい!!!
固めて冷やす時間が必要なので、困った時の即席一品!とはなりませんが、お昼過ぎに作り始めれば、その日の晩ごはんで美味しいお豆腐が食べられます。
温奴など温かい料理ににすれば冷やす必要はなく、長くみても2時間後には食べれるので、夕方に作り始めても間に合います。
何もかもが違う海外では、日常生活を送るだけでも知らず知らずのうちに気を張ってしまう毎日。
そんな生活の中でも、食事面だけは、特に晩御飯に関しては「一日の終わりにホッとできる、なんの心配もストレスもなく食べられるご飯」を心掛けるようにしています。
「海外」と一言でまとめても、居住環境や食材の入手のし易さ、入手できるものの種類などはそれぞれ異なりますが、豆腐が手に入らない地域に住んでいる日本人家庭の食卓には救世主的存在です。
コメント